「麹をたくさん入れたらいい」、一言のアドバイスが味噌を変えた!
私たちが味噌作りを始めた20年ほど前は、福井県はおろか、日本全国で味噌そのものを食べる機会が減っていました。「若い人たちにもっと食べてもらわないと、食文化が廃れてしまう」と感じた私たちは、どうやったら「おいしい」と言われる味噌を作ることができるのか、探り続けました。
その頃の味噌と言えば、3年味噌といって、塩がきつく、3年寝かせてから食べるというものが主流。ただ塩辛いだけ、というものも多かったのです。
そこで、私たちは味噌作りに詳しい人を訪ね歩き、作り方や配合をいろいろ伺いました。挑戦したことは、塩分を控えめに、麹(こうじ)をたくさん入れることというシンプルなアドバイス。すると、味噌なのにまろやか、どこか甘みも感じるほどの、風味豊かな味噌ができあがりました。
冷蔵庫に入れて保管することを理解してもらえない。
味噌は生き物です。麹菌(こうじきん)が味噌の中でぷくぷく生きているんです。
生き物なので、味が一定になりにくいところに悩みました。気候や気温に左右されて、品質が変わるのです。人間と同じで、温度変化が激しいと味噌も味のバランスを崩してしまうのです。なによりも品質や味を保つために、冷蔵庫が必要でした。今でこそ、スーパーでは冷蔵庫の中で味噌たちは涼しく鎮座していますが、20年前は冷蔵庫に入れるなんてとんでもないことでした。「生きているから、おいしく食べてほしいから」と冷蔵庫に入れてもらえるように、お願いをして理解をいただくことに苦労を重ねました。
お客様自身が味噌を作って語らう、工房をオープン
「多くの人に味噌をおいしさと大切さを知ってほしい」という思いから、味噌作り講座も始めました。人が集まるところへ出張したり、自宅を開放したり。そのうちひとつの夢が私たちの中に芽生えてきました。食に興味のある人と語りたい、若いお母さんや男性一人でも気軽に入れる空間にしたい、いや単なる空間ではなく、人が集って楽しめる場がほしい。その夢がふくらんで、2009年12月25日クリスマスの日、福井県越前町に『手づくりみそ工房』をオープンさせました。 → 運営会社・あさひ愛農園
大豆
福井県産大豆を使っています。
品種はエンレイ種。味噌作りに最適な大豆です。
米麹(こめこうじ)
『あさひ愛農園』の特別栽培米を蒸して、麹菌を入れて作っています。店頭にて販売している『玄米みそ』には、玄米麹を使用。見た目は若干、うすい緑色っぽい印象ですが、それが新鮮な玄米の証拠。安心して食べてください。白麹(しろこうじ)は、もち米のような麹です。いずれも菌糸が米の中にしっかりとくい込んでいて力のある麹です。『あさひ愛農園』の特製の麹が、味噌の味の決め手となっています。(写真は玄米麹です)
塩
日本の塩の名産地・岡山県赤穂(あこう)の天塩(あまじお)を使っています。
塩辛くなく、まろやかな味わい。味噌をおいしく発酵させ、風味を引き立てます。
配合について
麹は多めに、塩は少なめに。
健康のことを考えた配合です。
いえいえ、とんでもない!ばっちり公開中です。配合を知りたい方は、店頭でスタッフにお尋ねください。こっそりならぬ、堂々と伝授しますよ。